コラム詳細
パラアスリート選手インタビュー企画~第3弾~
東京2020パラリンピック銅メダリスト 大島健吾選手
~素直に、どん欲に、前向きに。ち密な計画の先にある日本記録更新~
東京2020パラリンピックに出場し、陸上200mで8位入賞、ユニバーサルリレーでは銅メダルを獲得した大島健吾選手の魅力に迫ります!
大島健吾選手~プロフィール~
大島健吾(おおしまけんご)
2000年1月1日生まれ(22歳)
愛知県瀬戸市出身
名古屋学院大学4年生
〇近年の主な競技実績
・2020年 第31回日本パラ陸上競技選手権大会 男子100m(T64) 1位
・2021年 第32回日本パラ陸上競技選手権大会 男子100m(T64) 1位
・2021年 ジャパンパラ陸上競技大会 男子100m(T64) 1位 自身のアジア新記録を更新
・東京2020パラリンピック競技大会 男子100m(T64) 出場
男子200m(T64) 8位入賞
ユニバーサルリレー 3位
【ユニバーサルリレーとは】
視覚障害、下肢の切断・機能障害、脳性まひ、車いすの4選手がそれぞれ100mを走る混合種目で、男女各2名が出場する。男女の走順は自由で、バトンではなく身体のどこかに触れて次の走者につなぐ「タッチワーク」が特徴であり、東京パラリンピック競技大会から新種目として採用された。※大島選手は、下肢切断・機能障害(第2走者)の選手として出場。
関連資料
ー陸上競技を始めたきっかけを教えてください。
高校生まではラグビーをやっていました。2年生の時にパラ陸上選手発掘事業のイベントに参加したことをきっかけに、競技用義足の存在を知って、これを付けたらどこまで早く走れるのだろうと思いました。
当初は、走るのなんて体を早く前に動かせばいいだけ。と思っていました。でも、初めての試合ではボロボロに負け、その後の試行錯誤でアジア大会に勝てて勢いに乗りました。1位になりたい。その競技が陸上であり、短距離であると感じ、ラグビーから転身しました。
ー陸上競技の魅力を教えてください。
陸上競技(100m)は速く走るという目標が明確で、そのための体づくりや練習が立てやすいです。また、自分自身1人で考えていく方が好きで性に合っていました。さらに、個人種目であるが故に自分が速くなるためにサポートしてくれる人の存在がチームスポーツより身近に感じられます。ベストを更新したときには、サポートしてくれている方たちへのありがたみをかみしめています。
ー苦しい時や辛かった時、どのように乗り越えてきましたか。
コーチや友達に電話をして、話を聞いてもらっているうちに状況を整理していきます。その中で失敗の原因を探り、改善し乗り越えてきました。
↑ メダルセレモニー直後に恩師 松田先生(名古屋学院大学陸上競技部長)とともに
ー目標を達成するために大切にしていることや取り組んでいることを教えてください。
表を作って、そこに目標を書いていきます。表には、「新しい知識を入れる、運を高める、筋力を高める、試合で最高のパフォーマンスをする、」などと書いています。
運を高めるためにゴミをひろう、挨拶をする、人と仲良く関わる、たくさんの人に助けてもらって今の自分があるという感謝の気持ちを忘れずに、これからも行動で示していきたいです。
ー東京パラリンピック ユニバーサルリレーで銅メダルを獲得した勝因を教えてください。
ユニバーサルリレーは、男女混合で走り、障害によっても走り方が違うため、タッチワークの位置が重要で、いかにロスを減らせるか、合宿で重点的に練習できたことが良かったと思います。
また、母国開催のため、多くの人が応援してくれて、その思いが後押ししてくれたことも大きいと思います。陸上部のメンバー、コーチ、大学の関係者、アルバイト先の学童の子供たちも。たくさんの応援に応えるためにもメダルは持って帰らないといけないと励みになりました。
↑ 東京パラリンピック会場近くにてサインに応える大島選手
ー今後の目標を教えてください。
今年の目標は、10秒8(100m)。また、日本選手権の出場。そして、パリパラリンピックでは100mでメダルを狙うことです。
義足という道具を使えるからこそ、記録を大きく伸ばす可能性があると思います。ゆくゆくは障害関係なく競い合うレベルまでいきたいです。
↑ 松田先生との練習風景
ー愛知県の未来のアスリートにメッセージをお願いします。
周りに支えてくれる人がいるから自分が自分の可能性を感じることができる。一人でコツコツやることも重要だが、できるだけ色んな人を巻き込んで色んな人から学び、盗んで成長してほしいなと思います。
※パラアスリート選手インタビュー企画第1弾は11月、第2弾は2月のコラム記事に掲載されています。