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ランバイクライダーを取材しました!

その他

練習の様子

皆さん、「ランバイク」ってご存知ですか?
小さいお子さんがいらっしゃるご家庭では、「知ってる」「うちの子供もやってる」という方も多いのではないでしょうか。

「ランバイク」は、簡単に言うと、ペダルのない自転車で、足で地面を蹴って走ります。
2歳くらいから乗ることができ、脚力や体幹が鍛えられ、バランス感覚も身につくことから、自転車に乗る前の練習として、また、子供のスポーツへのきっかけとして、近年大人気です。

普段の遊びから、初心者向けの大会、さらには全日本、世界大会まで開催されており、ペダルのない自転車と侮ることなかれ。立派な競技なのです。

今回は、私の知人で、チームに所属し、ガチで大会に参加しているR君(5歳)とご両親にご協力をいただき、活動の様子を取材させていただきました。

R君は、2歳3か月からランバイクを始め、最初は、友達と公園で楽しく遊ぶ程度でしたが、友達の紹介もあってチームに所属し、今では、地域の大会はもちろん、年間ポイントを競う全国大会にも参加するライダーです。

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まずは、基本的な装備から。大会に参加するレベルの装備って、おいくらくらいかかるものなのか、親としては気になるところです。

バイクの他には、ヘルメット、プロテクター(ボディ、肘、膝)、グローブが必要です。ヘルメット、プロテクター、グローブでおおよそ3万円くらいとのこと(なかなかしますな)。
シューズは一般的なスニーカーでよいですが、地面に擦れることが多く、すぐに傷んでしまうので、頻繁に買い替えないといけません。


レース用の装備

バイクは、レース用のバイクを購入して、さらにカスタマイズしています。
レース用のバイクは、軽い素材でできていたり、スピードを出しやすい姿勢がとれる形になっていたりします。
そのバイクを、安全性に配慮しながら、さらに軽く、より快適に走れるよう、タイヤ、ホイール、ハンドルグリップ、サドルなどをカスタマイズします。中には、フレームからパーツで購入して、オリジナルのバイクを作る方も。
そんなバイクも、体の大きさによって買い替えるそうで、5台目、6台目なんて方もザラにいるんだとか。
ちなみに、R君が今乗っているバイクは3台目で、あれやこれやとカスタマイズしてトータルで、30ま・ん・え・ん!!ほどかかっているそうです。


レース用バイク
レース用バイク

次に、ランバイクライダーはどのような活動をしているのでしょうか。

R君はチームに所属しているので、普段は大会に備えて土日にチームで練習しています。
地域の施設の駐車場を借りて、30mの直線を走ったり、コーンを立てて八の字でコーナーを曲がる練習をしたり、コースを作ってレース形式での実戦練習などをしています。


実戦練習の様子
実践練習の様子

大会は、装備さえしっかりしていれば誰でも出場できます。R君は月に1~2回くらい参加しており、県内だけでなく、他県に泊りがけで遠征することもしばしば。これまでに、茨城県や岡山県まで遠征したこともあるそうです。

ランバイクの大会では、子供の成長のペースによって結果が大きく左右されます。特に、幼児期は月齢によって成長の差が大きいため、月齢のマックスに近づくと多くの選手に好成績を収めるチャンスがあります。R君も、優勝することもあれば、決勝まで進めず悔しい思いをすることもあるそうです。


大会の様子
大会の様子

先日、岡崎市内でランバイクの大会が開催されていたので、見学に行ってきました。

大会名は「U6ランバイクジャパンカップ2022
全国6都市(北海道、宮城、神奈川、愛知、大阪、岡山)で予選を開催の上、2023年3月に埼玉で決勝が実施されるもので、今回はその中部予選でした。

U6ランバイクジャパンカップは、「ランバイクを全てのスポーツの始まりに。」を理念に掲げ、「ランバイクを通じて、日本のスポーツ振興・発展に寄与する。」ことをミッションにしています。

決勝には、各地区予選の上位1名の他、獲得合計ポイント1~5位の選手が出場できるとのこと。そのため、駐車場には、中部地域はもちろん、札幌、新潟、土浦、品川、横浜、奈良、愛媛・・・と、遠方のナンバーのワンボックスカーがずらり。

会場は、コース沿いに応援をする親御さんの椅子やカート、バイクのパーツを販売するショップのテント、キッチンカーが並んでいました。また、立派な表彰台、ノリのいいMCの方による選手紹介や実況があり、雰囲気は子供の大会とは思えません。


表彰台

コース沿いで応援する様子
ショップの様子

レースは、350mのコースを1周して競います。
今回はスタートしてすぐに登りがあるコースのため、ここで脚力の差が出て、ほぼ順位が決まってしまうようでした。とは言っても、350mのコースをほぼ全力で走りながら、体を傾けてコーナーを曲がったり、コースどりする必要があり、スタミナや技術が求められるかなりタフな競技です。


スタート前
スタート直後

レース中
レース中

このように、小さい子供が勝負事に参加するにあたって、親としてどのような姿勢で取り組んでいるのでしょうか。気になるところをR君のご両親に伺いました。

Q:レースに勝つために(勝つためだけでなくても)、子供にどのように教えていますか?
A:子供が楽しむことを1番に考え、結果だけにこだわり過ぎないようにしています。前向きに取り組ませることが、結果にもつながると考えています。

Q:ランバイクをやっていて大変なところはありますか?
A:何といっても、遠征や練習にかかる時間とお金が大変です。また、親子で取り組むスポーツなので、子供のやる気や技術をどうしたら引き上げることができるか常に考えさせられます。

Q:今後の抱負や目標は?
A:レース本番はもちろん、日頃の練習から全力を出せる姿勢や、チームの仲間と協力的に動く姿勢を身につけさせたいと思っています。また、全国大会ではチームランキングもあるので、個人だけでなく、チームに貢献できるような結果を出していきたいです。

【おわりに】
東京2020オリンピックを契機に、最近では、アーバンスポーツ、エクストリームスポーツが注目されています。
子供たちも、将来の自転車競技、BMX競技の選手に!というのは大人の勝手な期待かもしれませんが、ランバイクを通じてスポーツすることの楽しさを知ってもらえたら嬉しいですね。


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